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女ふたりで生きていく!ー32歳家を買う編ー

初めまして。ITベンチャーで営業をやっている、たかさきあやな(現在32歳)です。
今回ご縁があって、こちらで何回かコラムを書かせていただくことになりました。
まだコラムが何かもわかっていないですが、わたしと彼女が生活する中で起こった出来事を皆さんにシェアしたいと思います。ちょっとばかしお付き合いください。

たかさきあやな

ITベンチャーで営業をやっている、32歳。

わたしは小さい頃よくお母さんから、定年退職後キャッシュでマンションを買った独身の女友達の話を聞かされていた。
そして私ができたときにローンを組んで実家のマンションを買ったお母さん自身のことも。
なんとなく大人になったらマンションが買えるのかなと思っていた。

ただ、その「大人」なタイミングは自分が幼少期から思い描いていたよりも、「子供」のままのわたしにやってきた。

今回は彼女と暮らす家を買うことになった経緯をシェアしたいと思います。
わたしは何も知らずに家を買うことを進めて当時すごく疲れたので、誰かの何かの参考になればいいなと思います。

家探しはけっこう前から始めていた。

付き合ってからほどなく将来は一緒に暮らしたいねという感じだったので、暮らす家を探してみた。
どうしても東京で2人で十分なスペースに暮らすには家を買ったほうがコスパがいい(毎月の家賃>ローン)ケースが多くて、であれば買ってみようかと思ったのがきっかけだった。
あと、気づいたらお母さんがマンションを買ったときの年齢に自分がなっていたことも大きい。
新築とか戸建てとかに私自身が興味がなかったこともあって、中古リノベで賃貸よりは広めのお部屋を探した。
ちょうどコロナで引っ越しブームもあり、物件はたくさんあった。
犬がいるので、そのハードルはあったけど、意外といいなと思う物件はでてきて、その度に最速で申し込みを入れた。

女一人で家を買うということ。

私達はまだパートナーシップ宣誓など手続きを踏んでいない。
そうするとペアローンは組めないので、わたし一人の名義でローンを組んで購入することにした。
なので、申込みも私の名義で行った。(2人で暮らすということは伝えていた)
そもそも、ペアローンを組むためにはパートナーシップなどしている必要があって、パートナーシップをするためには同じ区に住んでいる必要があると いう話で、家を買ってから区を変えて住もうと思っている私たちには無理な話だった。

2度申込みで落ちた。
タッチの差で申込みが遅かったという理由と、用意できる手付金の金額で負けてしまったという理由だった。
3度目の物件で、色んな良いめぐり合わせが重なって申込みをすることができた。
今回の購入にあたっては、同じように女性同士のカップルで家を購入している友達に担当をお願いしてたくさん相談しながら進めた。
どこまで言えばいいのか、何は言わなくてもいいのか、どれくらいお金がかかるのか、なんか女同士だと不利になることがあるのかなどなど、全部聞きながら購入を進めることができた。

二丁目には色んな仕事をしている人がいるので、不動産の友達がいる人は何でも話せる人にお願いして進めるのもいいと思う。
購入してよかったなと思うのは、同性同士だからということが原因で困ったことが1度もなかったことだ。
賃貸契約のときに同性同士は断られるという話を未だに聞くけど、名義上わたしひとりで家を買うにあたっては、別に誰も何も気にしてこなかった。

女一人でローンを組むということ。

まず家に申込みをするようになって思ったのは、わたし貯金をもっとしとけよ、ということだった。
こんなこと生まれてこのかた誰も教えてくれなかった。義務教育で教えておいてほしいものだ。
お母さんも、まさか娘がお母さんがローンを組んだのと同じくらいの年齢でひとりでローンを組むことになるとは思っていなかったんだろう。
あっても困らないのだから、一人で全部やる場合にかかる費用一覧を子供のときから知っておきたかった。
結局は彼女の蓄えとわたしの少しの蓄えとを併せて初期費用に充てた。
一人でローンは組んだけど、彼女なしでは組めなかったので、二人のローンみたいなものだ。
ローンを組むにあたっては女ひとりということが不利になる場合もあると教えてもらった。
投資目的で購入するのでは?と邪推されるとのことだった。結局は無事にローン審査は通った。
ローンはおもしろいもので、わたしが死ぬと残金は支払う必要がなくなる。
それは彼女にとってもいいことだなと思ったが、問題はその家に彼女が住めるか、ということだ。現状、この世ではただの他人同士のわたしたちなので そのまま彼女のものにして暮らし続けるようにするためには、手続き(証書の作成など?わたしもまだきちんとわかっていない)をしておく必要があるようだ。
男女であれば結婚の紙切れを市役所に出すだけで無料で完了するのにな、と急に放り出されたような感覚になった。

やっぱり「結婚」と同等の権利がほしい。

苦労話があまりない家購入だったけど、ひとつだけ心えぐられる瞬間があった。
ローン実行の日、銀行で色んな書類に名前を書いたり捺印したりする中で、管理会社に出す書類があった。
そこには一緒に暮らす人の名前や間柄を書く欄があった。
ここまで全く気にせずに進められていたので少し動揺してしまい、彼女との間柄を何と書くべきか迷って、とっさに「同居人」と書いた。嘘ではないけ ど、わたしの思っている関係とは少し遠い単語だった。
別にその後誰かからそれについて聞かれるわけでもないのに、なぜか同じ建物に暮らす人たちに知られたときに面倒なことになりたくないなという気持ちが勝ってしまった。
わたしたちの関係を説明するときどんな言葉が適当なんだろう。
パートナー?家族?友達?同居人?自分も納得して、世間の人も違和感のない言葉が何なのか、正解が未だにわからない。

よく「独身で家買って、ペット買ったら終わり」と言われてきたけど、世間から見ると今の私はまさにそれだ。
わたしは世間から見ると「終わった」人間なんだろうか。

今月の彼女の萌ポイント

毎朝寝癖がすごい。実は付き合いたてのころ勝手に彼女の寝癖を集めたアルバムを作っていた。かわいい。

女ふたりで生きていく!ー32歳家を買う編ー

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どんな日であれ、その日をとことん楽しむこと。
ありのままの一日。ありのままの人々。
過去は、現在に感謝すべきだということをわたしに教えてくれたような気がします。
未来を心配してばかりいたら、現在を思うさま楽しむゆとりが奪われてしまうわ。

オードリー・ヘップバーン 1929 – 1993
オードリー・ヘップバーン 1929 – 1993